2020年8月19日3,146 View

毎年訪れる夏、でも『この夏』は今だけのもの。 めぐる季節を、愛するフレブルと過ごすこと。

焼け付くような陽射しと真っ青な空に浮かぶ入道雲。急に冷たい風が吹いたと思ったら轟く雷鳴と突然の夕立。轟音のシャワーのように降り注ぐ蝉の鳴き声。かき氷やスイカに花火大会。そう、夏です。しかし、フレンチブルドッグオーナーの多くはもしかしたら夏が苦手かもしれませんね。だって熱中症になりやすい愛ブヒにとっては、とっても過酷な季節だから。

美しい季節をブヒの目に焼き付けて。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

otsphoto/shutterstock

 

フレンチブルドッグと暮らすようになってから夏が嫌いになった。そんな人は少数派ではないかもしれません。

 

だって、暑いし。火傷しそうなアスファルトはフレブルには脅威だし、何より玉子が焼けそうなほどの熱波ではハナペチャな君たちは息をすることさえしんどそう。

 

だから夏の間は家の中で空調を効かせ、一刻も早く秋の訪れを待つようになっていました。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

LightField Studios/shutterstock

 

でも。でも! それって少し勿体無いなあと晴れ渡った空を見て思うのです。

 

フレンチブルドッグの平均寿命が12年だとしたら、愛ブヒが「夏」という季節を満喫できるのはあと何回あるのだろう。

 

ぐるぐる季節を巡っているうちに、君は虹の橋ってやつを渡ってどこか手の届かないところに行っちゃうんじゃないのかなあ。

 

そう思ったら、嫌いな季節があることってすごく勿体無いような気がしたのです。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Patryk Kosmider/shutterstock

 

とはいえ、湿度も気温も高くなる日本の夏はフレブルをはじめ短頭種にとっては命に関わることもある。

 

だけど、その丸っこい体の隅々に、この妙にワクワクして落ち着かない、とびきり綺麗な季節を味わわせてあげたいとも思うのです。

 

心地よく、夏を楽しむその秘訣。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Tienuskin/shutterstock

 

その昔、清少納言もこう書き綴っていました「夏は夜」と。そしてこう続くのです「月の頃はさらなり、闇もなほ、ホタルの多く飛びちがひたる」と。

 

現代語に訳せば、「夏は夜がいいよねえ、特に月が輝く満月の頃は最高にいい感じだし、月が出てない新月の暗い夜だってホタルが飛び交う光景めっちゃええやん」ってな感じでしょうか。

 

確かに夏の夜は、少し浮かれ気分で愛ブヒを伴い夜のお散歩に出かけるのに最適な季節。

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Happy Moments/shutterstock

 

昼間には気がつかなかった虫の鳴き声や風のさざめきを草むらをスンスンしている相棒と一緒に楽しみながら、昼間の余韻が残る熱を感じつつ歩くのも悪くない。

 

街灯の明かりを頼りに、ようやく昼間に溜め込んだ熱を放ちつつあるアスファルトの感触を踏みしめながら、夜香木(ナイトジャスミン)の香りを嗅いだっていい。

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Ksenia Raykova/shutterstock

 

そうなんです、実は夏の植物は夜に香りを放つものが多くあり、精油で有名なイランイランやジャスミンティーの原料になるアラビアンジャスミン、胸に秘めた愛なんて花言葉を持つクチナシも夏の花。

 

これらの花々は夜になると特に強く香り、香りの記憶はその後ずっと後を引くもの。

 

だから、もしいつか相棒が虹の橋を渡ったとしても、ああ、この香りを一緒に嗅いだよねなんて思い出があれば、きっとその夏は永遠の記憶に刻まれるように思うのです。

 

君と聞きたい夏の音。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Djevelen/shutterstock

 

ゴロゴロとお腹の底を震わせる雷鳴や、朝露に濡れた草を踏む時のキュッという音色、一瞬で周囲の雑音を消し去るほど激しく降り注ぐ夕立の音も。

 

夏の音って、いつだって少し怖くて懐かしい。

 

フレンチブルドッグたち“犬”は、視覚よりもずっと嗅覚や聴覚が発達した生き物。だからこそ、たくさんの思い出に残る音を聞かせてあげたいなと最近思うのです。

 

それはアナタが好きな夏の曲でもいいし、ちりんと震える風鈴の音、跳ねた魚が再び水面に沈む時のチャポンという音さえも。

 

きっと、私たちからすれば早送りのようにすら思える短い一生を送るフレブルにとってはかけがえのない音なのかもしれません。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Stanislav Duben/shutterstock

 

残念なことに現代を生きる私たちやワンコにとって、正直、夏は過酷な季節です。

 

でも、誰もいない早朝の海や昼間でも肌寒く感じるほどの木陰、川辺の砂利道、縁側から眺める向日葵だとか、そういった小さなカケラはもしかしたら犬にも伝わる夏の景色なのかも。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

bozsja/shutterstock

 

あの夏、大好きなママさんとこうして縁側で居眠りしたよとか、パパさんが物陰から放つ水鉄砲の水の冷たさだとか、もしかしたらフレブルだって夏の全部を思い出として心に残している可能性、結構高い。

 

だって君たち人みたいだからね。自己満足かもしれないけれど、こんなに煌めく季節はきっと、フレブルにとってもキラキラ眩しい季節のような気がしてならないのです。

 

毎年訪れる夏、でも『この夏』は今だけのもの

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Tom Harper Photography/shutterstock

 

耳を澄ませば、そして鼻孔に意識を集中すれば、本当にそこにかしこに夏はあります。

 

濃厚な残り香を漂わせ、目を閉じてもチカチカ瞬く眩しい残像を残して。

 

そしてこの季節は、愛ブヒにとっても一期一会。同じ夏なんて自分自身にも愛ブヒにも生涯やって来ないから、できる範囲でたくさんの夏の思い出を相棒と共に過ごしたいなと願うのです。

フレンチブルドッグ,夏,過ごし方

Steve Photography/shutterstock

 

夏真っ盛りの今。

『この夏』は今だけのもので、二度と取り返せません。

 

だからどうかたくさんの思い出を、今そばにいる相棒と存分に楽しんでくださいね。

 

 

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