【先人の“心の道標”を…】伝えることと受け取ることと。発信はいつしか何よりの灯になる〜世界中のフレブルに向けて〜
世界にはたくさんのフレブルが生き、液晶越しに眺めるブヒを含め幾つもの出会いを経て、彼らまあるいかたまりが誰かに愛されている“命の背景”を垣間見る機会に時々巡り合います。それは笑みがこぼれるニュースであることもあれば、掌をギュッと握りしめて、遠くてもこの祈りが届くようにと願う背景であることも。そして思うのです。フレンチブルドッグという犬の生き様を、別れの仕方を、病気の過程を、何よりもその愛し方を。こうしてつまびらかにしてくれるブヒオーナーさんがいるからこそ、私たちが後に続けるということを。
サヨナラだけが人生、じゃない。

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持てる愛のほとんど全部を費やしたまあるい体。大きな耳に無垢な瞳、ブゥブゥと鼻を鳴らしながら寄り添ってきたその体温。
いつかその38度の温もりが消えたとしても、決して大きくはないその体が教えてくれたことは私たちの血脈にずっと生き続けるのでしょう。
先日、旅に出た女の子がいます。レジェンド年齢まで生きた可憐な女の子。可憐? いや、食いしん坊でとびきりチャーミング。

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どちらかといえば彼女は繊細なガラスの靴よりも履き慣れたスニーカーを選んで全速力で駆け出すタイプのガール。
その小さな体は最後まで力を振り絞り、文字通り体という体、指先のその先の爪1枚にまで愛を充填して、痛くも苦しくもない世界に転居しました。
転居届を出し忘れるのもご愛嬌よと言わんばかりに。

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そのオーナーさんは、彼女の旅立ちの記録をInstagramのストーリーに上げていました。
そこにはきめ細やかな介護の様子や日々揺れる命の姿、きっとこれ以上できないというほどの献身的なケアの全てが克明に映し出されていたのです。
少しずつ波にさらわれるように緩やかに弱るその姿に、何度も心揺さぶられました。

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その姿を記録として発信し、最後の一滴が砂に染みて消えるまでを伝えてくれたオーナーさんには感謝しかありません。
それはなぜか。
だってね、もしかしたら見て欲しくない、隠しておきたいかもしれないその姿を見せてくれたことで、私たちも遠くの友達が旅立つ心の準備をさせてもらったから。

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そして激闘を経て穏やかに旅に出る直前、彼女のママさんはこう綴っていました。
「旅立ちは新たなスタートラインに立つこと」だと。
見送り方は人それぞれだけれど、いつかやってくるその日に備え、そのメッセージを受け取った私たちは送り出し方を学ぶのです。

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こういうサヨナラの仕方もあるのだよという、この上ない優しく素敵な伝言を。
キミの闘いの日々の記録は、誰かの糧や知識となる。

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老いや病と向き合うこと、時に闘うこと。これはフレブルに限らず命あるものにとって避けては通れない道。
私たちだって、今はイメージ通りに動くその脚がいつか上がらなくなり、伸ばしているつもりの背筋がまあるい線を描く日が来るのでしょう。
そしてその姿を発信することは、とても勇気がいることです。

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いつまでも元気で若々しく、美しく健やかで日々煌めきを放っていたいと思うのは至極当然の欲求だから。
でも、誰もが見せたくない部分をすっかり布で覆ってしまったとしたら、私たちはなんの知識も得られないままに、もし自分にその時が来たら慌てふためいて狼狽するのだと思うのです。
誰かが闘う姿を見せてくれたからこそ、今こうして闘う支度の仕方を知っている。

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この闘い方で良いのだと背中を押してもらえることは、何よりの力となって悩める身に降り注ぐのでしょう。
フレンチブルドッグをはじめ命ある存在と歩む道程の後半には、たくさんの起伏が訪れます。
平坦な道が急に険しくなり、草が生い茂った獣道をそろそろと歩み、時に開けた場所に出て空を見上げたなら燦々と太陽が輝き虹がかかることも。

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そしてまた、暗く細い道を辿ることもある。
そんな道なき道を進むには地図と方位磁石が欠かせないけれど、地図と磁石は先人が与えてくれたもの。
だからこそ、いざ自分の順番が巡ってきた時に歩を進めることができるのです。

Gryllus M/shutterstock
左手に地図、腰に方位磁石、そして右手に相棒と自分を結ぶリードを携えて。
Ready to fight.

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『Ready to fight』を直訳すると「闘う準備はできている」という意味。闘い方を知らなければ私たちは何ひとつ選び取ることができないかもしれません。
けれどもありがたいことに、私たちは闘い方を知っている。
それはね、先輩ブヒオーナーが勇気を持って闘う姿を見せてくれたから。これに尽きます。

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あなたが選んだその方法こそが最善で、自分が決めた選択肢を信じて進めばいいんだよと。
そう優しく背中を押してくれるからきっと、自分の順番になった時に恐る恐るでも一歩を踏み出せるのでしょう。
だからもし自分にその時が巡ってきたら、ありのままを伝えようと思うのです。
時に見たくないことを見、聞きたくないことを聞くのかも。

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でもそうして発信してきた先人がいるから、闘い支度の方法を知ることができるのだと思うのです。
これは単に記録を超え、いつしか積み重なりデータとなる。
データを蓄積することで、もしかしたらフレンチブルドッグの寿命を押し上げる一歩になるのかも。

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それにまた、蓄積されたデータを解析することで、例えばひとつの病に対して最良の治療法が導き出されるのかもしれません。
だからね、発信すること。受け取ること。
これは私たちにできる『最良の闘いの準備』なのです。
『心』を受け取り、紡ぎ、繋いでいく

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ただただ、ありがとうと伝えたい。
その刹那に立ち会えたこと、教えてくれたこと、見せてくれたことに対して。
きっとその過程は、発信する側にとって心削られることでしょう。けれど、私たちはちゃんと受け取っているのです。
「ありがとう。そしてまた、私たちが次の世代の地図と磁石になるよ」と。

bozsja/shutterstock
そう遠くない、いつの日か目前に伸びるかもしれないこの暗闇に、先人が灯を共してくれる。
ひとつ、ふたつ、みっつと。
それはいつしか道を明るく照らし、道標(ミチシルベ)となるのです。
文/横田愛子
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