【愛犬とのサヨナラを経験したひとへ】それでもボクらは前を向く。
ひとつの年が過ぎ去りました。365日を振り返れば良いことや悪いこと、笑えることも泣けることもあり、出会いがあればまた別れを経験した人もいるでしょう。人間よりずっと早く一生を駆け抜ける犬という生き物と暮らすうえで、サヨナラは想定内。けれどそれはとてつもなく悲しくて寂しくて、時に足元が揺らぐような気持ちになるかもしれません。でもね、それでもなお私たちは前を向く。そして見据えたその視線の先にはきっと、新たな毎日があるように思うのです。
ときぐすり、という薬の効能。

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ときぐすりとは時薬と書き、字の通り時の経過が心の痛みを癒してくれる薬となること。
愛する存在を失った時、それが若ければ若いほど辛いものです。
時に寿命というのは気まぐれで、本来ならまだまだ続くはずの命を吹き消すことも。
その一方でもう十分という年齢まで一緒に歩み、覚悟はできていると思ってはいても実際に旅立ちを目の当たりにすると冷静ではいられません。

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切なくて悲しくてやりきれなくて泣いたって、いいんだよ。だってそれが本来の反応だもん。
特別でとっておきの君がいなくなるなんて現実にボクらが向き合うには、悲しい時や苦しい時は心のままに涙を流すこと。
泣いてはダメだ、落ち込んでばかりいてはダメだなんて考える必要はなく、今感じる気持ちに素直になれば良いのだと思うのです。
犬って存在は、それが特に私たちにべったりだった愛ブヒならなおのこと、絶大な存在感を持ってそこに居て同じ時間をシェアしていた宝物。

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そんな彼らの喪失を経験したその傷を癒すのは、やはり時間の経過なんです。
今はペットロスという言葉が一人歩きしているけれど、あえて自分をペットロスになった人という枠に当て嵌めないで。
決めつけてしまうことで逆に抜け出せなくなることもあるし、対象が何であれロス、つまり失うことは悲しく辛いことだから。
思うままに泣き、その後も何かのきっかけに涙が溢れることもあるけれど、それでも私たちに明日は来るのです。
思い出になるまでにかかる時間。

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いつかはこの気持ちも思い出になる。
そう思ってはいても喪失を経験して日が浅いうちはとてもじゃないけれどまだ思い出になんてできません。
並んで歩いた道を、一緒に出かけた場所を辿るたびにフラッシュバックのように在りし日々が思い出されて涙が出る。
そういう体験をした人もたくさんいるでしょう。

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大切な存在を思い出として懐かしめるようになるまでにかかる時間は人それぞれだけど、本当にいつかは思い出になる日がきます。
少し科学的な話になるけれど、「人は忘却の生き物だ」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
これは記憶の研究の先駆者として知られるヘルマン・エビングハウスというドイツの心理学者が称したもので、例えば学習したことに対し1週間後には77%も忘れてしまうのだそう。

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もちろんこれはあくまでも学習の話だから何もかも同じように忘れるわけではないけれど、経過する時間の中で今抱えている「想い」が少しずつ遠くなり、いつの日にか心の中にある特別な引き出しに納められるのかもしれませんね。
そうなった時、その気持ちは思い出に変わるのでしょう。
そして心の引き出しに仕舞った想いたちは、いつだって開けて取り出すことができる。
その時にはきっと、笑顔であの頃の笑えるエピソードなんかを再び抱きしめられるようになっているのです。
別れを思うより出会えた奇跡を思う。

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生き物である以上、私たちにもフレブルにも等しく終わりがやってきます。
会うのは別れの始まりとも言うけれど、別れがくるのは出会ったからこそ。
この広い世界で自分にとってとっておきの1頭と出会えたことはもはや奇跡で、別れを悲しむよりも出会えたことを喜ぶべきなのかもしれませんね。
だって誰もがこんなに特別だと思える存在と一生のうちで出会えるわけではないのだから。
これはフレンチブルドッグに限らず、大切な友人や家族に対しても同じことなのかもしれません。

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別れの悲しさや喪失感以上に出会えたという事実に感謝できれば、別れの受け止め方も少し違ってくるのかも。
そして喪失の中にいる時、ただ泣いたり落ち込むばかりで何もできないと感じる人も多くいます。
けれども願うこと、祈ることはできる。
旅立った先から私たちを見守ってくれるよう願うこと、そのまあるい体の安らかな眠りを祈ること。
その願いと祈りはきっと虹の向こうで駆け回る相棒に届いているから、泣き疲れたら顔を上げてくださいね。
でないと空にかかる虹も瞬く星も、真昼の月も見逃しちゃいますよ。
おわりに

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1年の終わりには、その年にあった様々な出来事が心に去来します。
それが笑顔になる出来事ばかりとは限らないし、相棒を見送った人にとっては悲しみにくれた日が続いた年だったかもしれません。
そんな方に詩人、谷川俊太郎さんの詩の一節を送ります。
“ほんとうに出会った者に別れはこない あなたはまだそこにいる 目をみはり私をみつめ 繰り返し私に語りかける あなたとの思い出が私を生かす 早すぎたあなたの死すら私を生かす 初めてあなたを見た日からこんなに時がすぎた今も”
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