2025年7月3日540 View

5歳以降のフレブルの心と体を整える方法[特集:ミドルシニアLIFE]

永遠のパピー。フレンチブルドッグにはそんな言葉が似合いますよね。けれど、5歳頃にミドルシニア期に差し掛かり、そこからは年を重ねるごとにピークを迎えていた体力や筋力は徐々に下降しはじめます。つまり、愛ブヒの体は着々とシニア期へと向かって進み始めるということ。ただ、「うちの子はある日を境に急激に老化した」と感じるオーナーさんが多いように、フレブルはゆっくりと老化していくというよりも、突然老いがやってきたというタイプの子が多いのも事実。それゆえにオーナーさんにとっては愛ブヒの「老い」が受け入れにくく、準備や心づもりができていない状態でシニア期へ突入することが多々あるのです。だからこそミドルシニア年齢からシニア期への差し掛かりを意識し、暮らしやケア、ルーティーンなどを見直すことで、心身ともに健康的な状態でシニア期へと移行できるのではないでしょうか。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

急に、ではなく気がつかないだけ

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Lapina/Shutterstock

 

犬の6歳といえば人間だと中年にあたる年齢ですが、リアルに中年の筆者なんかはまだまだ若いつもりでいても体がついてこないことが多々あります。

 

寝不足はすぐ顔に出るし、深酒すると翌日は完全にゾンビ。

 

自分のことだから「もう年なんだわ」と理解できますが、これが愛ブヒのことになれば、結構気がつかないものなのかも。

 

彼らは元々皺の多い顔だし、ミドルシニア年齢くらいだと見た目に明らかな老化はまだ起きていないんですよね。

 

だからこちらとしてはつい、まだまだ若いと思い込んでしまうんです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

OlgaOvcharenko/Shutterstock

 

しかし老化はある日急に起きるのではなく、毎日少しずつ進行するもの。

 

例えば以前より少しバテやすくなったり、寝ている時間がちょっと長くなったりと、よほど意識して見ていないと見落としてしまう程度の変化からスタートします。

 

これらの兆候はどれも見逃しがちなものですが「このぐらいの年齢から老化が始まる」と意識して愛ブヒを日々観察することで、「老いの予兆」的なものに気づくことができるんです。

 

いわばミドルシニア期は「観察の時期」。

 

ほんの少しの変化に気づくことで、年齢を重ねてから起きるさまざまな症状や病気を予防できます。

 

そしてこの時期に取り入れたいのが「ゆったり習慣」。

 

なだらかに落ちていく体力に合わせてフレブルの生活を見直しゆったりとしたペースにしていくことで、無理のないリズムでシニア期への橋渡しができるのです。

 

決まったスケジュールとメリハリの合わせ技が大事

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Ashley Reams Mistretta/Shutterstock

 

年齢を重ねることで体だけでなく、ブヒたちの心にも変化が訪れます。

 

以前より甘えんぼうになったり不安を感じやすくなることもあるため、環境づくりがとても重要になってきます。

 

そのために欠かせないのが、落ち着きを生むための決まったスケジュール。

 

犬はルーティーンを好む生き物ですが、特に年齢を重ねると変化が不安や混乱を招きやすくなるため、起きる時間や散歩の時間、食事に就寝など、なるべく毎日同じ時間にすること。

 

生活リズムの安定が心の安定にもつながるんですね。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

katyapulka/Shutterstock

 

けれどその一方で、散歩コースに毎回変化をつけてみたり、週末には普段とは違う場所へ一緒に出かけるなどの新たな体験を与えることも大切で、これは脳や好奇心を刺激することで痴呆予防や若々しさを保つ効果があるからです。

 

散歩は若い頃のように有り余るパワーを解消させるようなものではなく、持久力維持を目的にしてはいかがでしょう。

 

長時間の散歩よりも短めの運動を複数回に分けて行う方が体の負担を減らすことができますよ。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Anastasiya Tsiasemnikava/Shutterstock

 

また、自宅では愛ブヒが安心できる自分の居場所を作ってあげ、そこでくつろいでいる時は邪魔しないなど、フレブルのためのリラックスゾーンの確保を。

 

食事などは個体差があるためあえてシニア向けにする必要はないけれど、関節ケア成分を含むサプリメントや低脂肪かつ高タンパクのものを意識して増やすのも良いでしょう。

 

なお、ミドルシニア頃から新陳代謝が落ちてきて太りやすくなるため、将来的に足腰に負担をかけないよう、体重管理にはより気を配る必要があります。

 

人間も中年以降は痩せにくくなりますが、フレブルも同じなんです。

 

ゆったりは、何もしないことじゃない

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Rybakova Aliona/Shutterstock

 

「ゆったり」という響きには何もせずのんびり過ごす、みたいなニュアンスがありますが、対フレブルへのゆったりは全く別のもの。

 

むしろ今まで以上に積極的に愛ブヒを観察して関わり、ともに丁寧な生活を送ることで、パワフル期から少しずつ落ち着き始める愛ブヒにライフスタイルを合わせていくことでもあるんです。

 

散歩で歩くペースを緩やかにしたりスキンシップの方法を遊びからマッサージに変えるなど、愛ブヒが積み重ねていく年齢に合わせ、何事も少しずつゆったりとした内容へとアップデートする。

 

これがゆったり習慣の本懐です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Zanna Lecko/shutterstock

 

同時に足の運びのスムーズさや食べる量、睡眠時間の増減や呼吸の仕方といった健康チェックを日常的に取り入れ、小さな変化に気づける目を持つことや、何より私たちオーナーが愛ブヒの年齢なりの変化を受け止め、受け入れることが大事になってきます。

 

ミドルシニア期のフレブルたちはまだまだ元気いっぱい。

 

けれどその元気をこれから先も長くキープするためには、今現在の暮らしが基礎になります。

 

120kmで走って途中でエンストするよりも、適正速度で景色を楽しみながら長く遠くまで走り続ける。フレブルの「ゆったり」はそんなイメージ。

 

ゆったりとは、言い換えれば「心の余裕」なんです。

 

オーナーである我々に余裕があるからこそ愛ブヒの些細な変化に気づけたり、スキンシップやケアにたっぷり時間を充てられる。

 

つまるところ「ゆったり」は、フレブルとの暮らしをより幸せにする合言葉みたいなものかもしれません。

 

文/横田愛子

 

 

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