【取材】抗がん剤治療を乗り越えた15歳!「えこファースト」な暮らしを大切に。#74えこ
10才を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回取材させていただいたのは、横浜で暮らす15歳のレジェンド、えこちゃん。昨年リンパ腫と診断されながらも抗がん剤での治療が功を奏し、今日も日々を穏やかに暮らす彼女の日常の様子、そして長生きの秘訣を伺ってきました。
えこちゃんのプロフィール
年齢&性別
15才の女の子(2009年11月27日生まれ)
体重
体重 8kg(若い頃11kg)
大好きなこと
穏やかに暮らすこと
既往歴
・2022年11月 良性の腫瘍が見つかり脾臓を摘出
・2023年6月にリンパ腫を発症。抗がん剤での治療を継続し、現在は抗がん剤も終え落ち着いて過ごしている
病気を機に見直した食事
えこを迎えた時、田口家にはすでにフレブルの男の子、マロンがいた。
元々マロンのお嫁さんとしてやって来たえこはパピーの頃からマイペースで、さほど手のかからない子だったそう。
その後マロンとの子を出産し、それ以降はマロン、そして息子だったてんまる、後に里親として迎えたイングリッシュブルドッグの大五郎と過ごし、共に暮らした家族たちそれぞれを見送ってきた。
振り返れば色々な経験をしてきたのだ。
「えこはわがままも言わず感情をあまり表に出すタイプではないので今まであまり意識することはなかったけれど、こうして振り返ると多くの経験をしていますね。
きっと何かある度にえこなりにたくさんの思いがあったのだろうけれど、基本的には何事にも動じず、自分のペースを貫く子なんです。
この動じなさが健康にも関わっていると思っていて、彼女は元々丈夫で一昨年に脾臓を摘出するまでは病気知らず。
シニアになるまで元気だったので私もわりと無頓着で、食事にこだわることもありませんでした。
けれど脾臓を摘出してからは貧血気味になり、食事や健康を意識し始めたのはその頃からです。
増血作用のある食べ物や漢方が配合されたフードなどを試すようになったのですが、より根本的に食を見直すようになったのは昨年リンパ腫を患ってからですね」(田口さん=以下「」内同)。
リンパ腫が判明したのは昨年6月。
嘔吐や下痢が続くので診察を受けると、診断はリンパ腫。
リューケランという抗がん剤での治療を継続し、幸いにも症状が落ちついてきたので、医師の判断のもと今年の1月からは抗がん剤治療をストップできた。
「リンパ腫と診断されてからも食欲はあるものの、体がドッグフードを受け付けなくなったようで消化できなくなりました。
お薬の影響かもしれないけれど、それを機に完全手作り食に変更したんです。
ご飯は手羽中、むね肉をニンニクと生姜、あればクコの実で参鶏湯のように炊いて、それにプラスして潰したじゃがいもかさつまいもかお粥。
日によって組み合わせを変えて飽きないようにしていますが、このメニューは膵臓摘出以降から定期的にえこのヒーリングをお願いしている先生に教わりました。
手作り食にしたことで消化してくれるようになったので、今はこのメニューを続けています。
また、漢方医をしている友人から自宅でも手軽にできる棒状のお灸(棒灸)を教わり、これも日々のケアに取り入れています。
あと、えこは混ぜご飯にするとなぜか食べないので、スープはスープ、お粥はお粥、と分けて盛るんです。
こういうこだわりに気づき、気づいたことは面倒がらずに実行するようにするのも飼い主の役目ですね」
食事とケア、この辺りを見直したことで体調も安定し、現在は経過観察のために3ヶ月に1度、2次診療専門の日本動物高度医療センターに通っている。
なお、15歳にして目や耳の衰えはなく、自宅内では走ることもあるそう!
「えこのペースに合わせる」のが秘訣
食事を見直したのは病気をしてからだけれど、まだえこがパピーだった頃から田口さんが意識していることがある。
それは「何事もえこのペースに合わせる」こと。
「えこは散歩があまり好きではないので、小さい頃から無理に連れ出すことはしませんでした。
無理に行っても頑として歩かないので、散歩をしたそうな素振りを見せたときに連れていくスタイル。
今思えばもう少し健康のためにも散歩をさせていたほうがよかったかなと思わないこともないけれど、足腰は健在です。
帰宅した時はタタタッと走り寄ってお出迎えしてくれますが、そうやって喜ぶのは一瞬だけ。
その後はシラーッとしているんです(笑)。
小さい頃こそ抱っこをせがんでくることもあったけど、今は自分のペースを確立しているから、構われたくない時は私もそっとしています。
えこの好きなように好きなタイミングで、というのがモットーで、彼女のペースに人間が合わせるのが定番。
これがえこにとっては気楽でよかったのかもしれません。
気分が乗らないなら散歩をしないとか、そういう些細なこともストレスにつながると思うので、結果論ですがえこが自分のペースを乱されることなく毎日を過ごす。
この積み重ねがノンストレスとなって長生きにつながったのかな」
マイペースなえこの毎日は、時計が内蔵されているのではないかと思うほど規則正しいもの。
このブレないルーティーンもまた、長寿に一役かっているのではないだろうか。
「判で押したように毎日ローテーションが決まっているんです。
毎朝6時半頃に起きてまずトイレをし、家の中を探索。
その時にテーブルの下に何か落ちてないかなどをチェックするのも忘れません(笑)。
薬を飲んで7時頃に朝ご飯を食べ、食後再びトイレに行ってからはまったりタイム。
仕事中は留守番カメラで様子を確認しているのですが、定位置で寝ていることがほとんどです。
そして12時頃にまたトイレに立ち、えこの中では散歩のつもりなのか室内をうろうろ。
昼寝をして今度は夕方4時頃に起きて玄関の方に行き、私や父の帰宅を玄関辺りで待っています。
これがえこの毎日。
本当に連日同じ行動なので、ルーティーンが違うとどこか悪いのかと異変に気付きやすいのがメリットですね。
あと、来客など普段と違うことがあるとストレスになるらしく、朝と午後で顔の表情が違うことにも気づきます。
だからなるべく普段と違うことはしないようにし、ストレスにならないように意識しながら生活するのが当たり前になりました。
何もかもえこファースト、これが我が家流の長寿の秘訣なんです」
一緒に悲しみを乗り越えた小さな相棒
田口さんが何から何までえこファーストを貫くのには、もうひとつ大切な理由がある。
それは、2017年に田口さんのご主人が先に旅立った時に、えこが大きな心の支えとなってくれたから。
「夫が他界した時、私ひとりだととても立ち直れなかったかもしれません。
けれどもそばにえこがいてくれたから、今まで、ここまで頑張ってやって来られたのだと痛感しているんです。
こんなに小さい体でも存在感はとてつもなく大きくて、どれほどえこに救われたか。
それ以来、これからの人生は えこに捧げようと決めています。
私とえこ、共に同じ経験をしたからか、私たちは飼い主と犬というよりも人間同士、かつ大人同士の関係に近いように感じています。
べったりはしないけれどいつも空気のようにそばにいて、互いに存在を確認するとなんだか安心する。
えこは高齢だけれど、こうして穏やかな時間をまだまだ一緒に過ごしていきたい。
そのためには、やっぱりえこファーストになるんですよね」
笑いながらそう話してくれた田口さんの隣には、我関せずの顔をしたえこがいる。
「私の話をするならちゃんと良いことを言ってよね」みたいな顔をしながら。
年齢とともに頑固で我儘になってきたというえこだけれど、そんなところもまた愛おしくてたまらない。
何しろ田口さんとえこは、二人三脚でたくさんのことを一緒に乗り越えてきた相棒なのだから。
Instagram:@mamiko_ta
取材・文/横田愛子
★【取材させて!】10歳以上の「レジェンドブヒ」を大募集!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております。
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