【水頭症】頭の大きいフレンチブルドッグは要注意〜症状・原因・診断など〜
フレンチブルドッグといえば、大きな頭が特徴的。「水頭症」は、小型短頭種に多いといわれています。
今回は水頭症についてお話しいたします。

golfyinterlude/shutterstock
病気のサイン
大きな頭、両目の斜視(外側斜視)、性格の異常、行動の異常、発作、パニック、四肢麻痺
原因
水頭症は、脳せきずい液が過剰に脳内(正確には脳室内またはくも膜下腔)に溜まり、頭部の内圧が上昇して神経などが圧迫されることにより症状がでます。
また、先天的な脳の奇形などにより、脳せきずい液の吸収不全や循環障害などによって起きる「先天性水頭症」と、脳腫瘍や脳炎などが原因で二次的に発生する「後天性水頭症」があります。
症状

Ezzolo/shutterstock
症状の主体は、脳せきずい液の過剰蓄積による脳の圧迫によるものです。
一般的に先天性の水頭症は、1歳齢以下(特に生後6ヶ月齢以下)で意識障害や行動異常、急に怒る、発作、パニック、視覚障害、起立困難、四肢麻痺、発育障害などが認められます。
あわせて外観の異常として、横に大きく広がった頭、両目の斜視、泉門の開存などが見うけられます。
ただし、臨床症状をしめさない「無症候性水頭症」も存在します。
診断
水頭症は超音波検査、MRI検査、治療への反応から総合判断します。
水頭症は診断が難しく、脳室の拡大があるからといって水頭症と診断はできません。
また、脳室の拡大があり、かつ行動異常や神経症状などがあっても水頭症ではない場合もあります。
水頭症と、症状・発症時期が似ているのが、頭部と頚部をつなぐ箇所での奇形(後頭環軸椎関節奇形)や脊髄空洞症といった疾患であり、鑑別が非常に難しいのです。
また、これらは水頭症と併発していることもあり、正確な診断にはMRI検査が必須となります。
超音波検査は泉門が開存している症例では、脳室の拡大や頭蓋内圧の亢進をある程度推測することが可能です。
まとめると…
1、外観的に頭が大きく、斜視があり、かつ行動異常や神経学的な異常が認められる
2、超音波検査で脳圧亢進と脳室拡大が認められる
3、MRIで後天性水頭症(腫瘍や脳炎など)やその他の先天的奇形の除外・診断を行い、脳室拡大を確認される
以上3つがそろった場合は、水頭症だと診断される可能性が高いといえます。
治療法

Ezzolo/shutterstock
先天性水頭症の場合は,できるだけ早期の外科手術が望まれます。
脳室に過剰に蓄積する脳脊髄液を、チューブを介して腹腔内に流れるようにする手術です。
常に脳圧が上がらないようにすることで神経的な症状や脳のダメージも起こさないようにすることが可能です。
とはいえ、100%の手術ではなくチューブが詰まったり、からだが異物反応を起こしたり、チューブが外れてしまったりと再手術が必要になるケースもあります。
また、脳外科でもあるので、大学病院や専門病院でしか行うことができません。
内科療法は、あくまで対症療法となります。
脳圧を下げる薬や脳脊髄液の産生を抑制する薬などを使用します。
発作が起きる場合には抗てんかん薬なども併用し管理していきます。
しかし、内科療法では一般状態が良好に維持できないと判断した場合には、外科手術も積極的に考慮する必要があります。
予防
予防というのは難しいのですが、子犬の場合には「頭が広すぎないか、目は斜視ではないか、歩き方・動き方は正常か、急に怒りっぽくないか」をしっかりと確認し、犬をむかえることも大切です。
また、お家に来て何らかの異常を認めるようであれば、かかりつけで受診なさってくださいね。
麻酔はもっともフレブルの飼い主さまが気になるところだと思います。獣医師としっかり話し合い、最善の方法を見つけてくださいね!
治療費
(再)診察料;1,000〜2,000円
内科療法;5,000〜
外科療法 ;300,000〜
※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

獣医師:堀江志麻先生
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