【胆泥症・胆のう粘液嚢腫】血液検査で肝臓の数値が高い、ときどき吐く子は要注意
私たち人間にもある、胆のう。胆のうは肝臓に包まれるように存在し、肝臓内で作られた胆汁を蓄える働きがあります。
そんな胆のう内に「胆泥が溜まっています!」と病院で言われたことがありませんか?

Anna Goroshnikova/shutterstock
病気のサイン
健康診断で「胆のうに何か溜まっている」と言われた、血液検査で肝臓の数値が異常、時々吐く
原因
肝臓内で作られた胆汁は、胆のうという袋状の臓器に一時的に貯留されます。胆汁は特に脂肪分の消化を助ける働きがあります。胆のうは必要に応じて収縮して、十二指腸へ送り出され、食物の消化を助けます。
胆のう内の胆汁が粘性を持ち、泥状になった状態を「胆泥:たんでい」と言います。当然、粘性を持つので、細い胆管や総胆管を通りにくくなり、胆のう内に留まってしまいます。
また、胆泥の他に、胆のう内がゼリー様物(ムチン)の物質で置き換わってしまう疾患を「胆のう粘液嚢腫:たんのうねんえきのうしゅ」と言います。
胆泥、胆のう粘液嚢腫…。実はまだまだ発生機序などはっきりとわかっていることが少なく、無症状であることも多いため、獣医師の中でも治療をどうすべきか悩むところです。ですが、胆汁が粘性を持った「胆泥」と、「胆のう粘液嚢腫」は基本的には異なる疾患とお考えください。
※胆泥があると、胆のう粘液嚢腫になるというデータも今はまだ特に出ていません。ただ、胆のう粘液嚢腫の疾患で、胆泥が溜まっていない疾患は殆どないので、関連性を否定することもできません。
診断法
胆泥と胆のう粘液嚢腫は、よほど初期ではない限り、エコー検査で区別がつきます。時に、感染を伴うのかなどの確認のため、針生検が必要な場合もあります。
治療法
「胆泥」の場合
基本的に経過観察です。しかし、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が関与することも示唆されており、こちらの疾患を治療することで胆泥の量が軽減したり、脂肪分を減らした食事にすることで、胆泥の量が軽減することがあります。
「胆のう粘液嚢腫」の場合
基本的に外科対応です。胆のう粘液嚢腫と診断し、手術を行った約50頭の犬では、症状の有無やエコーの見え方に関わらず、2-3割の子がすでに胆のう破裂を起こしていたというデータがあります。
また、破裂を起こした胆のうは周囲の組織もダメージを受け、組織がもろくなっているため、手術自体も難しくなります。
胆のうがなくても、肝臓から胆汁が分泌される
胆のうはなくても良いのか…と心配される方もいらっしゃると思いますが、胆のうは肝臓で作られた胆汁を一時的に貯めておく臓器。
もちろん、なくて良い臓器なんてないですが、胆のうは仮になくても、肝臓から胆汁はちゃんと分泌されていますので大丈夫です。貯蔵する場所がなくなるだけです。その後の食事も生活も基本的には今まで通りで問題ありません。
予防法
フレンチブルドッグのような短頭種は、他の犬種と比較すると麻酔リスクが高く不安ですよね。胆泥も胆のう粘液嚢腫も、どちらも早期発見が可能な疾患ですので、病院で定期検査をされてくださいね。
治療費
(再)診察料:1,000〜2,000円
血液検査:6,000〜
エコー検査:3,000〜
手術:80,000〜
※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

獣医師:堀江志麻先生
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