「熱中症」3つの原因と応急処置の方法〜フレンチブルドッグは要注意!!〜
熱中症——。フレンチブルドッグと暮らしている飼い主さまは、誰もがドキドキしていることと思います。とくに梅雨や夏場は、気温も湿度もあがり1年で最も気にかけなくてはなりません。
今回は、熱中症の原因や応急処置についてお話しをしましょう。
「熱中症」とは、からだが高温環境にさらされた場合におこる、様々な障害の総称です。熱中症をひき起こすには、大きく分けて3つの要因があります。
それは、「環境・からだ・行動」です。
1、環境要因

Oleg Shakirov/shutterstock
犬は自分たちで暑い環境、多湿な環境を回避できないことが多い動物です。
逃げ場のない車内や、室内、クレート。また夏場のお散歩は、昼夜通して気をつけなければなりません。
都心部の地面のほとんどは、アスファルトの道路や、コンクリートでできた建物に覆われています。アスファルトやコンクリートは、一度熱をため込むと、なかなか冷めることはありません。
つまり、日が落ちたとしても、昼間にため込んだ熱が残っていることが多く、すぐにサウナ状態になってしまいます。
犬は地面の近いところを歩くので、人間以上にコンクリートやアスファルトの「暑さ」を感じやすいのです。
このように、環境によって熱中症をひき起こす場合が考えられます。
2、からだ(身体的)要因

Aneta Jungerova_shutterstock
犬たちは、生まれもったからだの構造や、年齢、疾患により「どれだけ暑い環境に順応できるか」が異なります。
フレブルは、生まれつき熱中症になりやすい身体構造
フレンチブルドッグを含めた短頭種は、他の犬種と比較すると「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」など短頭種特有の疾患により呼吸をスムーズに行えないケースがあります。また、一生懸命呼吸をすることで、さらに軟口蓋が腫れ、呼吸状態の悪化をまねくこともあるのです。
呼吸器・循環器に疾患がある場合も要注意
犬たちは、気管虚脱や心疾患など、呼吸器や循環器に疾患を持っている場合に熱中症へのリスクが高くなります。
子犬、シニアは熱中症になるリスクが高い
子犬やシニア犬は、体温調節機構がうまく働きません。つまり、成犬と比較すると熱中症へのリスクが高くなってしまうのです。
その他、肥満の子も熱中症のリスクが高まります。フレンチブルドッグは食欲旺盛な子も多いので、きちんと体重管理を心がけるようにしましょうね。
3、行動要因

Berszan David_shutterstock
フレンチブルドッグは、闘犬の性質をもつ犬種。ボールなどのおもちゃやペットボトル、他の犬などに一度興奮してしまうと、おさえられなくなる子も多いです。
自らヒートアップしてしまうと、暑さに関係なく熱産生が起こり、熱中症になってしまうことがあるのです。
室内や涼しい日のドッグランなどでも、愛ブヒが興奮状態にならないように注意をしてください。ふだんから、落ち着かせるためのトレーニングを教えておくのも大切です。
熱中症は、命をおとすケースも多い
このように様々な要因が重なると、体温の上昇と調整機能のバランスが崩れ、どんどん身体に熱が溜まり熱中症をひき起こしてしまうのです。
40℃を超える熱がつづくと、からだ中の細胞や酵素、神経に障害がおこり、多臓器不全におちいってしまいます。

emodpk_shutterstock
循環器、呼吸器、神経系、消化器系、泌尿器系などが障害されることで「低血圧、意識障害、痙攣、流涎、嘔吐、血便」などが起こり、急性腎不全やショック症状をひき起こすことも。
あっという間に症状が進行し、亡くなってしまうケースも多いので十分注意するようにしてください。
もし熱中症になってしまったら、とにかく早急な対応が必要です。
熱中症の応急処置

獣医師:堀江志麻先生
フレンチブルドッグが熱中症になった場合の応急処置方法をご紹介いたします。
様々な方法がありますが、まずは体温を「38.5℃」程度まで下げることが重要です。
1、涼しい場所や、日陰に移動する
熱中症の症状があらわれたら、すぐに涼しい場所に移動しましょう。お散歩中やドッグランなど、外で症状があらわれた場合は日陰に移動します。
フレンチブルドッグの場合は、夏場の長時間のお散歩やドッグランはできる限り避けた方がいいですが、やむを得ない場合は事前に「日陰」のある場所をチェックしておきましょう。
室内の場合は、冷房を強くしてできる限り室内の温度を下げるようにしてください。
2、大きな血管がある場所を冷やす
涼しい場所に移動をしたら、保冷剤や濡らしたタオルで「ワキ・首・内股」など大きな血管があるところを冷やして体温を下げます。目安は38.5度。

Margarita Mindebaeva/shutterstock
※要注意!からだの冷やしすぎはNG
ここでひとつ、注意点があります。それは、からだを冷やしすぎると逆効果になってしまうということ。冷たい水にからだを浸けるなどの行為は、避けるようにしましょう。
からだを冷やしすぎると「シバリング」や「末梢血管の収縮」が起こり、冷却効果が減少します。
シバリング(shivering)とは
シバリングは、体温が下がった時に筋肉を動かすことで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象。私たちも熱の出はじめに体が震えたり、寒いときにガタガタ震えたりすることがありますよね。これは、からだから熱を発するために起こっているのです。
シバリングを避けるには
シバリングや末梢血管の収縮を起こしにくい方法として「ウォームスプレー法」というものがあります。
約40℃くらいの温か目のお湯を霧吹きで全身に散布します。こうするとシバリングが起きにくく、効率良く体温を下げることができます。
最後に…
シバリングなど、聞きなれない言葉もあったと思いますが、きちんと知識を身につけておくのも、愛ブヒを守るために必要なこと。「正しい応急処置」をすることで、愛ブヒを守ってあげてくださいね。
応急処置をしても症状が緩和しない、意識レベルが低い場合は緊急を要しますので、すぐに病院へ連れていくようにしましょう。
熱中症のサインや予防対策などは、こちらをご確認ください。
【熱中症】フレブルの命を瞬時にうばう! 病気のサイン、対策、応急処置を知っておこう

獣医師:堀江志麻先生
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【会員数No.1の圧倒的王者】18歳の愛犬が食欲を取りもどした「ココグルメ」の力 。「333円」キャンペーン実施中!
手作り食の子は、従来のドッグフードを主食とする子よりも「平均寿命が3年長かった」という有名なデータがあります。
今回ご紹介するのはプロが作った手作り食が届く「ココグルメ」。近年人気のフレッシュフードといわれるジャンルの中で、会員数No.1[*]の圧倒的王者です。
なぜここまで信頼を得ているのか、なぜフレンチブルドッグにふさわしいのか。ペット栄養管理士の荒木幸子先生にお話しをうかがったところ、説得力の塊でした! そしてフレブルたちが、今こそ試すべき理由とは…!?
(sponsored by株式会社バイオフィリア)
PR -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【TESの新デザイン&アイテムが登場!】愛ブヒの名前を入れられる、TESのカスタムオーダー
フレブルオーナーの間では、すっかりメジャーになったアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。とくに、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーは、“我が子愛”あふれるオーナーに大人気。
そんなTESファンのみなさまに朗報です! この度、新デザインのカスタムオーダーが誕生!
フレブルらしさがよりアップしたデザインと、今までになかったnewアイテム…これは、買うしかありません!
ストア情報 -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【編集Yの太鼓判はコレ!】留守番中も爆睡!究極の癒しベッドー編集部厳選!本当に使えるドッグギア #44
全員フレブルオーナーである『FRENCH BULLDOG LIFE』の編集部員たちが、自分たちで愛用している「本当に買ってよかった!」ものだけを紹介するこの連載。
今回は編集Yが、すべてのフレブルが大好きだと確信する極上のドッグベッドをご紹介! 留守番中もぐっすり、埋もれる姿は激カワ、さらに高確率で「へそ天」が見られます!
特集 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。
-
French Bulldog LIVE⚡️2022 -秋- (フレブルLIVE)
イベント「French Bulldog LIVE」にまつわる情報をお届け。