2016年11月30日50,169 View

【鼻腔狭窄症】フレブルオーナーなら絶対知っておきたい

鼻腔狭窄症(びくうきょうさくしょう)は、犬の中でもフレンチブルドッグのように鼻がつぶれた短頭種に多い病気です。フレンチブルドッグの「鼻の穴」を、もう一度よく見てみてください。他の犬種と比べて、穴が非常に狭いことがわかると思います。このつぶれた鼻もフレンチブルドッグのかわいさのひとつですが、本人たちにとっては苦しい状況を作り出しているのです。だって、空気を吸う隙間が小さいわけですから…。

それでは、鼻腔狭窄症の症状や治療についてご紹介しましょう。

chaowalit-jaiyen/shutterstock

病気のサイン

よくイビキをかく、少しの運動でガーガーする、鼻水をよく飛ばす、他の短頭種よりも鼻の穴が小さい

 

正常のお鼻の穴はコンマ(,)状になっています。鼻の穴がL字になっていたり、筋のように細い場合は鼻腔狭窄症を疑いましょう。

鼻腔狭窄症

 

症状

主な症状としては、よくイビキをかく、少しの運動で呼吸があらくなるなどがあります。フレンチブルドッグはもともとイビキをかく犬種ですが、一定のリズムで大きなイビキをかく子は鼻腔狭窄症の可能性があります。犬も人間と同じで疲れているときや眠りが深いときはイビキをかきますが、毎日大きなイビキをいている場合は鼻腔狭窄症を疑いましょう。また、暑くもないのにハァハァしたり、少しの運動でガーガーと息が上がる場合も鼻腔狭窄症である可能性が高いです。このような場合、熱中症にかかりやすくなるので充分に注意してください。熱中症はフレンチブルドッグにとって大敵。一瞬にして命をうばってしまいます。

フレンチブルドッグが奏でるガーガー音は、フレブルオーナーにとって心地いい癒しのサウンド。でも、本人にとってはかなり苦しい状況であることを覚えておいてください。

 

原因

先天性である場合がほとんどです。飼い主さんの判断だけが頼りなので、先述の症状がないかどうか、改めて愛ブヒをチェックしてあげてください。

 

治療

鼻腔狭窄症は、熱のダメージが少ないレーザーを使って治療をすることがほとんどです。鼻は切ると出血が多く、熱を加えすぎるとダメージが出てしまうので、リスクを最小限におさえてくれる動物病院を選ぶようにしましょう。

「鼻腔狭窄」と「軟口蓋過長」を若いうちに外科的に整復した場合の改善率は96%と高い治療効果が得られるのに対し、より高齢で切除を行った犬は69%と低い改善率となります。

 

避妊・去勢手術を同時にやる子が多い!?

フレンチブルドッグの場合、少しでも全身麻酔の回数を減らすため、避妊・去勢手術と同時におこなう方も多いようです。その際に、軟口蓋過長症の手術もいっしょに行うケースもあります。

 

予防

鼻腔狭窄症は先天性であることがほとんどなので、病気そのものを予防をすることはできません。基本的には、手術をして治療します。手術には麻酔が必要。フレンチブルドッグは他の犬種にくらべて麻酔リスクが高いので、信頼できる先生やご家族とよく相談した上で、手術をするかどうか判断してください。

もし、手術をされない場合は、過度な運動はさせない・熱中症にならないよう暑さには充分気をつけるなど徹底した管理をするようにしましょう。

志麻先生

獣医師:堀江志麻先生

 

治療費

麻酔をしてレーザー手術をするのが一般的となります。

・(再)診察料 1,000〜2,000円

・全身麻酔 15,000円〜

・手術費用 30,000円〜

 

合計「50,000円」強が相場といえます。

※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

 

しま先生

獣医師:堀江志麻先生

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